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日米欧の技術をどう生かしたのか。
日米欧の工場とどう違うのか。
合弁作業を通じての注目点。
そんなことを簡単に説明します。
作業をどう進めたのかということですが、三社の合意、会社の設立は一九八八年です。
このときにトップが集まって、新しい工場の理念であるとか前提条件とかを明確にしております。
これを明確にしないと実行グループの活動ができないということです。
それで現地に駐在者を派遣し、実行グループを作る。
商品のグループ・設備のグループ・生産のグループです。
そして月一回の検討会をもちました。
月一回に一週間から十日ぐらいの検討会を、現地でもちました。
仕様を決定して試作・テストを繰り返し、あるいは設備を設計次は四番目の、「三社合弁による現地の製造工場の建設」この辺を少しお話しします。
合弁工場を建設しようということで活動を始めたのが一九八八年です。
これはアメリカです。
輸出先としてアメリカが最大であって、安定供給したいということで現地生産を始めたいと、当社と、日本のもう一社と、アメリカのG社の三つのブランドを生産することにしました。
しかしでは結果的に、議論して日米欧の技術がどう生かされたのかということでありますけれども、各々の実行チームで商品の設計技術・材料技術、工程の設備技術、また生産・加工条件、管理項目・品質管理の項目、それから生産のシステム・人員計画、工場運営等について決めていきました。
商品の部分ですが、これは結果的に日本の考え方、内容をベースにして、いろんな意見を採り入れながら比較テストをしてまとめました。
これにかなり時間がかかりました。
それから工程・設備。
ドイツの重厚長大の内容が日本の提案で、簡素化したものになりました。
それからアメリカで購入して良いものは現地で調達していくというように選択していきました。
それから加工条件・管理項目。
これはアメリカの現状をベースにしてます。
生産システム・人員計画・工場運営。
これもアメリカの提案です。
なんでアメリカの提案かということなんですが、このイリノイ州に造った工場というのは見し製作し、工場を建設して工程テスト、生産を開始したのが一九九一年です。
この間に三年かかってるわけです。
世界一の品質を世界一の高効率で生産するということ。
それからアメリカ市場だけを対象にして、しかも主力サイズだけを生産し品種を非常に少なくすること。
これが前提であります。
具体化する検討会は、育ちの違い・文化の違いのある四者が議論し、共通認識をして結論を出していこうということです。
この間にいろいろテストをしたり、いろいろ話し合いが長引いたりとかいろいろありましたけれども、そんなことを通じて技術の理解と信頼感が醸成されたと思います。
特によく分からん部分は共通認識にするため、テストをしようということになります。
テストをしていると時間がかかりますけれども、やっぱりこれは必要で省けない。
お互いに信頼関係を高める上で省けないなあということで、時間がかかってもお互いに理解できるようにしていこうと。
そんなことをやってきました。
じゃあ結果的に日米欧の合弁工場はどう違ったのかということですが、前提条件のように新しいアメリカの工場はアメリカ市場のみを対象に生産してますから、少品種で大ロットの生産です。
いっぺんにたくさんの同じ種類のものを作るということです。
向こうの工場には百種類ぐらいのメニューがありますが、そのうち二十ぐらいが毎日流れている。
ヨーロッパの工場では、ヨーロッパがほとんど対象の市場です。
百四十ぐらいのメニューがあって三十ぐらいの商品が毎日流れておるということ。
それから日本の工場。
これは大幅に違います。
多品種小ロットで必要量を生産しようということで、三百五十種類ぐらいのメニューがあります。
その内の六十種類ぐらいが毎日流れておる。
したがって同じ機械で多品種作ります。
品種の変更がひんぱんにあります。
品種の変更をすると機械の部分を調整しないといけません。
ですから変更が容易である機械でないと、日本では使い物にならない。
それから各工程で次の工程のために、いま自分は何をすべきかが分かるようなシステムを作っておかないとタイミングが合いません。
作業する人がコンピュータの端末を見ながら、自分はいま何をするのかと分かるように、そんなシステムを作っています。
そんなことで、合弁工場は二十一種類だけを流そう渡す限りのトウモロコシの畑です。
この付近は地平線が見えるぐらい、畑が延々と続いている地域です。
そんな中にアメリカのG社の工場がありました。
その隣に造ろうということになりました。
時間が来たらどこからともなく、車・人が集まってきて、工場に入っていく。
「どんなとこから来てるのかな、近くにそんな住宅地はないじゃないか」と思い聞いてみますとやっぱり車で一時間近くかかって走って来るというような人もいました。
そんな中で日本から行って工場運営しようというのは大変です。
各々の意見を取り入れながら最終的な実行は現地に任そうと、そんなようなことにしました。
この辺は郷に入れば郷に従えという言葉もありますけれども、運営はアメリカの工場に任そうじゃないかということであります。
と。
これですと毎日流れてますから、日本のように同じ機械で度々変更を行なうということは、まずありません。
したがって非常に高能率の安定した工場になります。
これでは品種が足りないというので、少量多品種については既存の工場から供給することにしました。
アメリカの工場では安定した品質と能率を追求しようと、そんな工場になりました。
も含めて四社で議論するわけですから、「そんなこと、うまくいくのかなあ」というような話も出ておりました。
ただやってみると、意外にこれが進んだんです。
四社の技術の共有化が先行していた。
三番目の項目で言いました、技術の共有化が先行したために、相互理解が比較的容易でした。
それからタイヤ技術というひとつの決められた土俵の中での議論です。
優秀な技術者がそこへ出てきます。
したがって他社のことであっても、特に優れた内容の理解は非常に早かったです。
自社の技術にこだわらずに、特に優れておるなあというものに対しての理解は非常に早くて「それで行こう」と。
そういうのは非常に決めやすかったと思います。
育ちの違いから方策・意見が多く出ましたけれども、これについては絞り込んだテストをやって、時間がかかるけれども信頼関係作りを優先しました。
この育ちの違いというのは先ほども言いましたけれども、日本の会社同士でも違います。
組織運営も違います。
どんなふうにして物事を決めていくかというやり方も違います。
これはもう会社が違えばみな違うんもの、そんな作業をしてきた中で、合弁工場の建設を通じて、お互いにどんなことを感じたのか、ということを紹介します。
ひとつは合弁の場合に特に前提条件を明確にしておくことが必要です。
今回の場合にはトップが集まって、非常に明確にしてくれたことが後々やりやすくなったと思います。
それから育ちと文化の違う四社が議論してどうなるかなと、当時は心配してました。
新しい工場を造るということは非常に多岐にわたって検討することが多いんです。
一社であってもいろんな意見が出てきて、なかなかまとまりません。
先ほども言いましたように、現地の工場というのがトウモロコシ畑の真ん中にあって、どこからともなく人が来る。
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